空気読めない女

「KHR-2か,アクトロイドのどちらかに"面白いモーション(動作)"をさせなさい」
という課題をもらいました.

ちなみに,こちらがひとつめのロボット「KHR-2」です.

身長40cm弱,全身17自由度のホビー用ヒューマノイドです.
輪講課題でヒューマノイドを操作させるなんて,まったくすごい大学に来たものです.

しかも,さらにすごいのが二つ目のロボット.全身42自由度を誇る等身大ヒューマノイド.「アクトロイド」です.
全身自由度の半分以上が表情を作るために使われており,その操作の難しさ(めんどくささw)から,研究室内でもほとんどモーションができてないという,かなり燃えるシチュエーションのロボットです.

それなのに,なぜか大半の学生はKHR-2の方を選んでいたようです.制御が難しいからでしょうか?

それともロボットの外見のせい?

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まさかそんなことはないと思うんですが.
↓こちらが本人wです.

製作は株式会社ココロ.なんとサンリオの子会社だったりします.公式はこちら

このアクトロイドは,愛知万博でもおなじみの空気圧駆動式ヒューマノイド,つまり正真正銘の「クウキヨメ」ですw
空気圧とはいえ,表情はかなり細かく設定可能で,各関節を256段階に制御可能です.

いや,細かすぎだから \(ー_ー;

たかが10秒分の表情変化を作るだけでも,全身42自由度で各256段階それを20fps更新なんかしたら,もう大変ですよ(°_°|||)

実際,インターフェイス面倒なのがいけないと思うんです.こんなの各関節値で指定すること自体,ありえません.なので,出来合いのプログラムを使わずに,最初からプログラム組みなおしてみました(←CLOTHOはいつもこんな感じです)


そして,課題発表会の当日.

課題にアクトロイドを使った人は,自分を含めて3人しかいませんでした.

1人目は「アクトロイドであっち向いてホイをするモーション」
アクトロイドの指を上下左右に振る実演でした.

2人目は「アクトロイドに鈴を持たせて振るモーション」

ひたすら無表情に,力の限り鈴を振るさまは,そのシュールさで会場の笑いを誘っていました.
二人とも,あえて面倒な表情設定はいじらず,腕のみで楽しめるアイディアを用意していたようです.実際,観客の皆さんも爆笑してましたし.センスの違いを見せ付けられました(この笑いのセンスが関西人なのかorz).
鈍い僕でも,ようやく課題内容の「面白いモーション」の意味に気づきました.

困ったことに,自分の発表順は最後尾.KHRといいいアクトロイドといい,みんなが受け狙いの中,自分だけ空気読めてないのは明らかです.

「すみません.なんか勘違いしてたみたいで面白いモーションはありません.その代わり,プログラムを作り直して,動作のリアルタイム生成とかできるようにしてみました」
静まり返る室内.
これまでの10人以上の発表で構築された「楽しい発表会が」一転して研究会に変わる瞬間です.突然,真面目な質問が飛び交います.

話もレスもあるけど,「公演では浮いていた」状態です.
ともかく,どうにか笑いをとらないと(滝汗)

「この新しいインターフェイスを使うと,画面上のマウスジェスチャーのみで全身の関節を有機的に連動させ,喜怒哀楽の表情以外にも,その中間の表情等を生成できます」

観客達『おー!!なんかエロい』

「え?(¬_¬;」
本当は単なるジト目のつもりだったのですが,じと目って一般用語じゃないんでしょうか(苦笑).
なんだか,周囲はさらによく分からない雰囲気に.

観客「アクトロイドってちゃんと動くんだね,てか,さっきの表情の方もなんかイィ」
同級生までみんなで勝手なことを言っています.
てか,それは真面目に言っているんですか!?(°°||
もしかして,普通の人間には興味ない人たちなんでしょうか.
みなさん.いまこいつを動かしているのは僕なんですよ?感々俺(ry
いえ,真人間ぶってる場合じゃありません.

だいいち,言い訳なんかするとさらに状況が悪化しそうなのでぐっとこらえます.

「え〜と.最後に三つのインターフェイスを組み合わせて,滑らかな視線移動と表情変化+任意動作を組み合わせるインターフェイス画面を紹介します」

観客「ちょwなに作ってんの\(°_°;」

やっぱり,人前で話す時には場に合わせたネタの一つくらい,仕込んでおくものですね.(今回は単なる趣味ですがw)
学生のみならず,先生まで爆笑してました.
正直意外というか・・・やっぱりというべきか(~ ヘ ~;むぅ
それほど似せてもいないというのに,このインターフェイスの意味が通じるってことは
結局,ここにいる人はもれなくオタクなわけじゃないですかwwww